サルサダンスを始めたなら連続ターンはつきものです。
後から苦労するより初心者の頃から練習を始めましょう。サルサダンスを初めて1年くらい経った頃には10回転以上の連続ターンをするのも夢ではありません。「ダンスの初心者で、まして大人になって始めたのに10回転以上のターンが出来るわけないでしょう」と思われるかもしれませんが、出来るようになります。練習の仕方がわからないから出来ないだけでやり方が分かれば30代40代でも出来ますので、その方法をお教えします。
ちなみにこの連続ターンはサルサに限らず何のダンスにでも使えます。
連続ターンが出来ないのはこけしターンをやってしまうため
皆さん、こけしを思い浮かべて見て下さい。こけしは顔と胴体がピタリとくっついていますよね。人が顔と胴体を一緒に同一方向にターンするのをこけしターンといいます。ターンの技術がない人が、そのまま右回りシングルターンをすると1回目は普通に出来たとしても2回目はフラつくか、すでに何となく気持ちの悪るさを感じます。ましてダブルターンをしようものならほとんどの人が最後に着地したときにバランスが取れずヨタヨタとなってしまいます。これは、こけしターンをやってしまっているからです。
連続ターンの秘訣は首から上と胴体を別々に動かすこと
バーレーやアイススケートのターンのシーンでダンサーの体はひたすら回っているのに顔が正面に来る時だけほんの一瞬止まり、また正面に顔が来た時に一瞬止まるというのを見たことがありませんか。この一瞬止まったように見えるのは首から上の部分と胴体部分が別々の動きをしているからです。このテクニックを覚えると連続ターンをマスター出来ます。
連続ターンをマスターするコツは「急がば回れ」です!
ターンが上手くなろうと思って練習を長時間しても数か月ではそんなに効果は上がりません。体調不良になるだけなのできついトレーニングはお勧めしません。首から上と胴体を別々に動かすことを体に染み込ませる練習を毎日10分くらいすると、簡単に1年後には10回転以上出来るようになっています。連続ターンは急いで取得を目指すよりも、毎日ちょっとずつ練習する方が確実に上手くなります。
連続ターンをマスターする簡単な練習方法
ターン練習
ボディが先に回る→顔があとから回る→回っているボディを顔が追い越して正面に先に到着する
それでは、さっそく首から上と首から下を別々に動かすトコトコ回り練習をしましょう。
右回り
1.真っ直ぐに立って顎を引いて真正面のどこか一点を目印にして見つめて下さい。そのまま両肘を上げます。両肘を上げたので、今両手は胸の前にあります。
2.顔は正面を向いたままで時計回りにゆっくりその場でトコトコトコと歩いて下さい。ボディだけ180度くらいを過ぎたら首がもう我慢出来ないときつく感じますのでその時、顔をくるりと回して元の正面の位置に到着させます。
3.そのまま顔は正面を向いたままボディだけ、足をトコトコしなが時計回りに回し続けます。
4.ボディだけ180度くらいを過ぎたら首がもう我慢出来ないときつく感じますのでその時、顔をくるりと回して元の正面の位置に到着させて下さい。同じ動作をもう1回やります。(時計回りに3回トコトコ回りで1セット)
左回り
右回りと同じ要領になります。
1.真っ直ぐに立って顎を引いて真正面のどこか一点を目印にして見つめて下さい。そのまま両肘を上げます。両肘を上げたので、今両手は胸の前にあります。
2.顔は正面を向いたままで左回りにゆっくりその場でトコトコトコ歩いて下さい。ボディだけ180度くらいを過ぎたら首がもう我慢できないときつく感じますのでその時、顔をくるりと回して元の正面の位置に到着させます。
3.そのまま顔は正面を向いたままでボディだけ足をトコトコしなが左回りに回し続けます。
同じ動作をあと2回行って下さい。
このトコトコ回りは一番大事なターン練習になります。1ヶ月間トコトコ回りだけやって体に首から上とボディが別々に動くことを覚えさせて下さい。回数は1日にワンセット1回か2セットで十分です。もし、2セットするなら一度にやってしまうより別々の時間帯に1セットずつやった方が効果があります。
トコトコ回りだけ1ヶ月やってからシングルターンの練習を始めましょう
最初に基礎練習のトコトコ回り右と左りワンセットずつ行います。
シングルターン右回り
1.足を少し広げて立ちます。顎を引いて真正面のどこか一点を目印にして見つめて下さい。そのまま両肘を上げます。両肘を上げたので、今両手は胸の前にあります。
2.ボディを左に絞り体重を左足に乗せます。
3.右肩と肘を右に振ると遠心力で体が回り出すので、顔は正面を向いたまま残しておいてボディを先に回転させると自動的に顔があとから回り出し先に正面に到着します。
回転するときの右つま先のポイント
ボディを左に絞り体重を左足に乗せた状態から、右にボディを回し出すとすぐに右足に重心が移動してきます。この時、即座に右のつま先立ちになり回転をはじめて下さい。(回転で使うのはつま先の部分だけです)
右つま先回転の「中心部」となる軸はつま先の親指と人差し指の付け根の溝部分になり他の3本の指はバランスを取る添え指となります。つま先で回転するのでかかとは約3�前後浮いた状態になります。
シングルターン左回り
要領は右足のシングルターンと一緒です。
1.足を少し広げて立ちます。顎を引いて真正面のどこか一点を目印にして見つめて下さい。そのまま両肘を上げます。両肘を上げたので、今両手は胸の前にあります。
2.ボディを右に絞り体重を右足に乗せます。
3.左肩と肘を左に振ると遠心力で体が回り出すので、顔は正面を向いたまま残しておいてボディを先に回転させると自動的に顔があとから回り出し、先に正面に到着します。
回転するときの左つま先のポイント
要領は右足のシングルターンと一緒です。
ボディを右に絞り体重を右足に乗せた状態から、左にボディを回し出すとすぐに左足に重心が移動してきます。この時、即座に左のつま先立ちになり回転をはじめて下さい。(回転で使うのはつま先の部分だけです)
右つま先回転の「中心部」となるつま先の軸は親指と人差し指の付け根の溝部分になり他の3本の指はバランスを取る添え指となります。つま先で回転するのでかかとは約3�前後浮いた状態になります。
シングルターン練習量の目安と練習期間
基礎練習のトコトコ回り右・左りをワンセットする。右回りシングルターン1回・左回りシングルターン1回をワンセットとして2セットか3セットする。もっとターン練習をしたい時は、時間を置いてやって下さい。シングルターンの練習期間は1ヶ月が目安です。毎日ちょっとずつ練習して週に1〜2回はお休みしても大丈夫です。忙しくて余り練習できなかった人は、2ヶ月くらいやって下さい。
右回りダブルターンの練習
1.足を少し広げて立ちます。顎を引いて真正面のどこか一点を目印にして見つめて下さい。そのまま両肘を上げます。両肘を上げたので、今両手は胸の前にあります。
2.ボディを左に絞り体重を左足に乗せます。
3.右肩と肘を右に振ると右足に重心が移動してくるので、すぐつま先立ちの状態にして顔は正面を向いたままボディから回転を始めます。
4.次に顔を回転させます。
5.顔が自動的にボディを追い越して正面に到着します。
6.次にボディが正面にくるので顔は残したまま右肩と肘を振って回転力を与えボディを先に回転させたあとに顔を回します。
左回りダブルターン
右回りダブルターンと要領は一緒です。
1.足を少し広げて立ちます。顎を引いて真正面のどこか一点を目印にして見つめて下さい。そのまま両肘を上げます。両肘を上げたので、今両手は胸の前にあります。
2.ボディを右に絞り体重を右足に乗せます。
3.左肩と肘を左に振ると左足に重心が移動してくるので、すぐつま先立ちの状態にして顔は正面を向いたままボディから回転を始めます。
4.次に顔を回転させます。
5.顔が自動的にボディを追い越して正面に到着します。
6.次にボディが正面にくるので顔は残したまま左肩と肘を振って回転力を与えボディを先に回転させたあとに顔を回します。
ダブルターンの練習量の目安と練習期間
基礎練習のトコトコ回り右・左りをワンセットする。右ダブルターン、左ダブルターン、右ダブルターン、左ダブルターンと行って下さい。右回り左回りと交互にやる方がフラフラ感が早めに回復します。慣れないとターンは気持ち悪くなるので右左の1回ずつだけでも構いません。大事なのは体に首から上と首から下を別々に動かすのを覚えさせる事やバランス感覚を徐々に身に着けるのが重要です。3ヶ月くらいダブルターンの練習をして下さい。
3回転以上の練習
ダブルターンが出来るようになったらその要領で右3回転をやって見て下さい。コツはボディが正面に来た時に肩と肘を振ってターンにスピードを与えてやることです。
これをしないとスピードが落ちてターンは止まってしまいます。あとは、徐々に自分のペースで回転数を増やして下さい。
5〜6回転が常時出来るようになっていると既にターンのテクニックは身に付いているので、そのまま好きなだけ8回転でも10回転でも出来ます。サルサの右回りの連続5〜6回転はリードで回されるにしても、シャイン(足技を使って踊る)中に自力で5〜6回転するなど普通に使いますので右連続ターンを重点的にやって下さい。左回りは単独ではあまり使いません。
ペアで踊っているときリードで男性を中心に円周を描いて華麗に回されるか、リードでたまにその場で2〜3回転するのに使われるぐらいです。そんなには使いません。左回りダブルターンが出来ると応用が利くので、その練習だけで十分です。
ターンの練習を長時間やっても上手くならない理由
ターンの練習は三半規管を揺らすので目が回り気分が悪くなります。
目が回っているとどんなに練習してもバランスを崩すだけで回数が増えるごとに酷くなっていきます。この状態で練習してもちっとも上達しません。
ターンの練習は毎日ちょっとずつやって体に首から上と首から下を別々に動かすことを教えるのがマスターする早道です。